返信
おてらこどもキャンプ 無事に終了✨
おてらぱーく オープン✨
常福寺 de ベビマ⭐️
常福寺 公園化計画✨
ラジオに出演しました
常福寺第25代目 住職になりました
副住職のひとりごと
メガネ
先月5年生の息子が眼鏡を作った。近視用のメガネだ。とても似合っている。私も一緒にメガネを作ろうかと思った。でも、なかなか店員さんに声をかけづらい。老眼用のメガネだからだ。
そんな時、ふとある話を思い出した。
とある病院の小児科での話。そこに入院する子供たちに勉強を教える先生がいる。その先生が、ある時、授業に使う教科書がだんだんと読みづらくなってきているのに気がついた。老眼の始まりだ。しばらくは我慢をしてみたが、授業に差し支えるようになり、ついに老眼鏡を作ることにした。
次の日、新しく出来上がった老眼鏡をかけ授業に向かった。その姿を見た子供たちは「先生メガネどうしてかけてるの?」「目が悪くなったん?」「なんで目が悪くなったん?」
子供というのは何も気にせずズバズバと聞いてくるので返事に困る時がある。初めはごまかしていたが、あまりのしつこさに「老眼よ!ほっといてちょうだい!」と少しムッとした声で子供達に伝えた。
すると子供達から「先生いいなぁ」という意外な答えが返ってきたのだ。
「どこがいいのよ?目が見えなくなって不自由してるのに!」そう聞き返すと、子供たちは
「先生がうらやましい。だって僕たち、そこまで生きられないんだもん…。」
二十歳まで生きられるかどうかと言う難病を抱えた子供たちの病棟だ。先生はその子供達の言葉を聞いて老眼になるほど長い命を頂いていた自分に気がついたと言う。それからと言うもの、見るのも嫌だった老眼鏡がとても大切な宝物へと変わっていったという話だ。
店員さんに声をかけることの出来なかった私は、まだ尊い命に恵まれているという事に気がついていないのだろうか?とふと考える。大切な事に向き合う時間を頂いたような、そんな気がするメガネ屋さんでのひと時であった。